THE 倒産!


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1億5千万円が、150万円に…!?

自分はこうしたブログにおいて、個人名を出さないことと、数字を明確に表さないことを意識している。
良いこと、活躍を称えることとか、一般的なニュースで誰もが知る内容においては固有名詞を挙げたり、数字を示すこともあるが、自分の身の回りで起こっていることに関しては固有名詞と数字は出さない…。

 

が、しかし、これはちょっと出しておこうと思う…。

 

今日、弁護士事務所から電話が来て、焼肉店の売却が決まった…とのことだった。
焼肉店は、自分の持っていた店舗の中で赤字店舗だった訳で、最初にスポンサーとして手を挙げた企業さんは引き受けなかった店舗だ。
最初のスポンサー企業さんは3店舗を引き受けて、その3店舗の資産と営業権をまず売却した。
つまり、この段階で最初のスポンサー企業さんはタダでも赤字店舗は引き受けなかったのだ。
これは当たり前のこと。
赤字が出ている事業は、よほどの自信と余裕がなければ誰も引き受けないものだ。

 

次に残っている店舗を2店舗引き受けた企業さんが、この焼肉店を一緒に引き受けてくれた。
この段階ですでに二束三文の価格になっている。
ただ、この建物が金融機関の担保になっているので、すぐに売却ができずに、営業権だけ渡していた。
そうこうしているうちに1年が過ぎた時点で、この2番目のスポンサー企業さんはこの焼肉店の営業権を更に別の企業さんへ渡してしまった。
やはり赤字の状態が改善できず、撤退という訳だ。
そして、金融機関の担保が外れてやっと売却ができることが決まったのが今…。

 

その価格は、…150万円ということだ。

 

その価格を聞いて、自分は絶句だ…。
あまりにショックなので、数字を出してしまうことにした。

 

この焼肉店の投資額は1億5000万円だったので、売却額は何と投資額の1%だ…。
赤字店舗というのは、結局こうなってしまうのだ。
まあ、価格がいくらであろうと担保で取っていた金融機関がそれでいいならそれになるので仕方がない。

 

「かんぽの宿」で投資額2400億円の資産がオリックスに109億円で売却されることが大問題になってストップしたが、ウチの方が割合が低いぞ…。
ウチの焼肉店の割合で考えれば、「かんぽの宿」は24億円だ。
だいたい「かんぽの宿」は大赤字なのだから、引き受け手があっただけでも良かったと思うのだが…。
このままでは、赤字の垂れ流しだろうに…。

 

ウチの焼肉店を一時的に引き受けた2番目のスポンサー企業さんは、こんな二束三文の価格でもほんの1年で撤退したのだから、赤字事業を改善するというのはそんなに簡単にはいかないものだ。

 

でも、この焼肉店…。
絶対に黒字化できると思っている。
自分は、多業種多業態を展開してしまって、ひとつに集中して考えることができなくなってしまったので全てを手放すことにしたが、この焼肉店は利益化できる確信を持っている店舗なのだ。
だから、2番目のスポンサー企業さんには、そうしたことを説明して引き受けてもらったのだが、いろいろ変えてしまったので何とも残念な部分がある。
こんな価格で売却するのだから、買受先の企業さんには何とか頑張って欲しい。
買受先の企業さんはあまり接点がなかった企業さんなので自分からあれこれ言えないが、でもこの焼肉店は充分やっていけると思うのだ。

 

すべてはやり方なのだが…。

 

あっ、ちなみに、金融機関が競売せずにこの金額での任意売却に応じたのには理由があって、この建物の立つ敷地の地主さんの発言がポイントになっている。
理由があっての投資額の1%で売却ではあるのだが、とにかく赤字店舗はタダでもうまくいかないもの。

 

「●億の施設が何で▲▲万円なんですか!」などと、「かんぽの宿問題」で「安すぎる!」と声を荒げて怒っていた人もいたが、自分は別に安いとは思わないのだ。

 

それよりも、ウチの焼肉店の価格の方が…!だ。

 

 

(2009年3月4日発信)


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