THE 倒産!


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10.「O-157食中毒騒動で感じたこと」

 

「O-157食中毒」の騒動の後、一業種のみでの経営の危険性を強く感じるようになった。この期間、我々が運営していた回転寿司3店の売上は激しく落ち込んだが、1店舗経営していたラーメン店の売上が大きく伸びたのだ。
一業種でひとつのやり方に頼っての店舗展開や経営規模拡大は、影響を受ける突発的な出来事があった時にドミノ倒しのように崩れていくということを目の当たりにした。
同じ「うらしま」の店名を使って回転寿司を40店近く出店していたかつての幹部が経営するF社は、この時期から業績が一気に落ち込んでいるという噂が聞こえてくるようになった。
それと同時に、創業店の「田舎コンセプト」では戦えなくなっていくという現実がいずれ遠くない時期に必ずやってくると感じていた。
その前に、これからの時代で戦っていける飲食店を作らないと自分たちは残っていくことができないだろうと、それだけは思っていた。
そうした考えの中で、自分だけで悩んでいてもどうにもならないと思い、もっと広く交流を求め協力関係を築ける人脈を作っていく必要があると思い、東京のコンサルティング会社との関係を持つようになった。
このコンサルティング会社はかつて父親が創業時に指導してもらっていた会社で、その後自社の様々な問題が起こる中で関係を取らなくなっていたのだが、改めて指導をお願いすることにした。
会社の現状の問題と、これからこの地方にも必ずやって来るであろう競合店との戦いに備えて、多くの情報が必要だと思っていた。
全国の繁盛店情報を教えてもらう中で、後継者として会社を引き継ぐ問題に関しても様々なアドバイスをもらった。
この時、確かにこの後継問題が自分の中で一番大きな問題に感じていて、父親のやり方から自分のやり方にどう変えていくことが良いのかと、ずっと悩んでいた。
自社の場合、会社に父親の兄弟である自分にとってのおじさん、おばさんにあたる親族の方々が数多く参加している。
これまでも会社を変えていこうと動き始めると、それに伴って様々な親族問題が起こり、結局は元のやり方に戻ることを繰り返していた。
そんな中で、創業者の作ったやり方とはまったく違う形、別の業種で繁盛店を作るというアドバイスがあった。
ちょうど「O-157食中毒」事件の後、他業種を展開する外食企業が数多く出ていて、そうした提案から自分でも回転寿司ではない自分の考え方で立ち上げる店舗を作りたいと思うようになっていった。
こうして、新たな業種への挑戦を決めて、その準備に取り掛かっていくのだった。

 

 

(2014年11月16日発信)


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