THE 倒産!


data-ad-client="ca-pub-4024971683053743"
data-ad-slot="4307782515">



戻って来た、あの日の新聞

車の点検で、販売店へ…。
点検中、知り合いの営業マンとあれこれと話す。
「今年は、去年よりまた一段と厳しいよ…」と言っている。
今の自分は、去年と仕事を変えてしまったので、実際の消費者の動きが前と比較してどうなのかがわからない。
こうして、外部の人と話すのは貴重だ。
…と、その人が「そうそう、これ見つけておいたよ…」と言って古い新聞を持ってきた。

 

…実は、前に乗っていた車を下取りに出した時、トランクの中の荷物を片付けてゴミを捨ててもらったのだが、そのゴミと思われた中に、自分の会社の倒産記事が載った日の新聞が入っていた。
で、その新聞だけは、あったら捨てないで欲しい…と言っていた。
それを見つけておいてくれたみたいだ。
まあ、そんな新聞は捨ててしまって、早く過去を忘れてしまう方が良いのかもしれないが、自分は自分の発奮の材料として、残しておこう…と思っていた。

 

…久しぶりに、“あの日”の新聞を広げてみた。

 

…あった。

 

自分の会社の記事…。

 

あれから2年が経った訳だが、過去にあった出来事は消えてしまうことはない。
あったことは、あったことなのだ…。
この新聞は、債権者となる創業時代からの取引先へ謝りに行く途中のコンビニで買った。
長い付き合いだったからこそ、本当に申し訳ないという思いだった…。

 

あの時、頭を下げてまわったのは、債権額の多い順にまわった。
金融機関をまわって、取引先としては2番目に行った謝り先だった。
さすがに、この位の時が一番心打ちひしがれている時…。
頭を下げてまわるのも、心の動きで受け止め方の変化があるのだ。
最初は腹に力が入っていて、耐えるにしても結構耐えられる。
後に行けば行ったで、感覚がマヒしてきて、あまりわからなくなる。
やっぱり前半の途中…、特にこの取引先さんへ行く頃が一番つらかった。
そんな時に買った新聞…。
買ったコンビニも、駐車場の車を停めた位置も…、よく覚えている。

 

久しぶりに、あの時の記事を見て、その新聞をまた車の片隅にしまった。

 

…あの時の気持ちは、忘れないでいようと思う。

 

今、こうして振り返って考えられるような環境にいること自体が、本当に幸せなことだ。
これから先、「あの時があったから、今がある…」と思えるようになって振り返れるように…と思っている。

 

 

(2009年12月13日発信)


HOME プロフィール THE 倒産! Message お問い合わせ