THE 倒産!


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20.父親の病気…

 

2003年10月、同じ店名の回転寿司「うらしま」を40店近く展開していたF社が、民事再生を申し立て事実上倒産した。
負債総額23億円。資金力のあるスポンサー企業が付いて営業店舗は10店舗ほどの営業を継続するとのこと。他の店舗はすべて閉鎖したようだった。
自分たちの所にも、多くの方が連絡を入れてきたり、直接やって来て情報の確認やら、現在の関係状況を聞いていった。
新聞等で「回転寿司うらしまを展開する F社…」と報道されていたので、自分たちの「栄進」「伝説」のことだと思った関係者も数多くいたようだ。
店舗でもお客様から直接聞かれることがあったと報告を受けていた。
それでも、心配していた大きな売上減少の様子はなく、時間が経つと共に安心した気持ちが強くなっていった。
F社倒産から1ヶ月ほど経った頃、F社の債権者である金融機関から通知が来た。
ずっと恐れていたことではあったが…、F社の負債の中に父親が連帯保証人となっている借入金が一部残っていたのだ。
F社の経営陣がすべて自己破産の予定ということで、残っている連帯保証人の父親のところにその返済を求める通知が来たのだ。
とりあえずは、この金融機関が直接接触してくるまではこちらからは動かずにいた。
その上で、どうしようか…ということを考えていた。

 

この頃になると、父親には少しずつその言動におかしなことがあることがあった。
これは、本当に少しずつ少しずつだったのだが、何度も同じことを繰り返したり、大事な予定を忘れていたり、人の名前が出てこなかったり…。
それでも、以前からこういうことは時々あったことなのでそれ程気にはしていなかった。
しかし、これが父親の認知症の始まりだった。
検査の結果、病気が本人にも伝えられ、ここから父親が人前に出て行くことがだんだんと減っていった。
あれほど人前に出て話をすることが好きだった父親が、できるだけ人前には出ないようにと本人自らが自分の行動を変えていった感じがあった。
会社においても、こうして大きな問題を抱えた時であり、父親自身が自分の不注意な発言で問題が複雑になることを避けようとしたのかもしれない。
認知症の診断を受けた父親に代わって、F社債務における連帯保証の問題についても、金融機関とのやり取りを含めたすべての対応に関して、自分があたるようになった。

 

O-157食中毒騒動、BSE牛肉問題、会社引き継ぎに伴う社内の混乱…と、大きなピンチを乗り越えてきた我々にまた更に大きな問題が降りかかってきたのだった。

 

 

(2014年11月26日発信)


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