THE 倒産!


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3.父親の作った回転寿司

 

父親が脱サラして回転寿司店をオープンしたのは、1981年11月19日のことだった。
当時、高校1年生だった自分は、父親が始めた新しい事業を興味本位で手伝ったりしていた。
ちょうど良いアルバイトでもあり、学校から帰ると他にやることもないので、店に行っていた。
オープン後の忙しさの中で、すぐに寿司を握らせてもらったし、レジを打ったり、仕込みを手伝ったり、回転寿司店としての様々な仕事を覚えていったのだった。
最初に開店したこの店は、チェーン店である元禄寿司のFCとしての店舗だった。
開店前にFC本部が調査した資料によると、人口が少ない田舎街ではあるが競合店がないので、売上600万円も可能と思われる…との調査結果が報告されていた。
そんな最初の店が、客席数わずか30席足らずの店で、オープン初日に100万円を超える売上を上げ、月間売上は翌月には簡単に1000万円を超えていった。
その後も売上は順調に伸び続けて、5年目には月商3000万円を超えた。店舗面積、席数を考えればこの数字は驚異的な数字で、全国から視察に訪れる人がやって来た。
順調な売上に後押しされるように、その後FC本部を脱退して店名変更し、独自のスタイルでの運営をするようになった。
こうして10年目には店舗を新築し、店舗面積 85坪、席数 46席の店舗になり、月商は平均して3000万円を超えるようになり、12月には4000万円を超える売上を作ったのだった。
この時には、1日に400万円近く売った日があるのだが、この店の駐車場を含めた敷地全体の面積は300坪足らずで、駐車場の駐車台数は20数台。
駐車場に入りきらない車が道路に延々と列を作るような状態だった。

 

こんな全国から注目される店舗となった回転寿司店だったが、売上は1993年をピークに少しずつ下がり始めるのだった。
それまでは、周辺に競合となる店舗がほとんどなかった訳だが、この頃になるといろいろな競合店の出店が始まったのだ。

 

自分自身が東京から戻って、父親のこの事業を本格的に始めたのは1995年のことで、ちょうどこの創業店の売上が落ち始めたことがハッキリわかり始めた頃だった。

 

 

(2014年11月7日発信)


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