THE 倒産!


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34.メインバンクの回答

 

2007年10月、前月に先送りしてもらった支払金を先に支払うと、この10月末の支払分でまた一部支払を延期してもらわないとお金が足りなくなると思われる…、ということが判明して、愕然となる。
どうしようか…と、悩んだ。
前月先送りした分をそのまま棚上げして待ってもらって、この月分の支払だけなら何とか大丈夫そうだったので、各取引業者さんへその旨を連絡をした。
ところが、ある業者の担当者さんから、話が違うじゃないか…という電話が来た。まとめて今月支払うと言ったじゃないですか…と。確かにそう言ったわけで、そう思っていたのだけど…。それができないと思われるので、また今月も同じようなお願いになってしまったのだ。
結局、この月は取引額の多い業者さんには一律で全額を翌月の支払に引き延ばしてもらうことをお願いすることにした。
支払引き延ばしをお願いした主要取引先へは、自分で直接お願いに行き、何とか理解してもらった。
でも、こんなことをいつまで繰り返すんだ…、という自分の中での不安が湧き上がるように渦巻いていた。
この後、年末へ向かって飲食店舗の売上は上がっていくので、12月の段階で棚上げした分はひとまず全額支払はできて一度は落ち着くと思うが、その後年が明けてからもこの流れで行くと再度資金不足で支払困難な状況が繰り返されるものと思われた。
資金繰りを細かくシュミレーションして、今後の資金繰り表を作ってみると、翌年の2月末に再度支払困難な状況が来ることが予測された。
これを踏まえて、早急に赤字店舗を閉鎖していく必要があるのだが、こうして店舗を閉鎖すればどうしてもその直後に支払財源が更に大きく不足することは、この数か月の流れからもハッキリしている。
どうしようか…と、県の再生指導コンサルの方とも相談し、再度メインバンクへ協力のお願いへ行くことにした。
このままでは、翌年の2月に大きな資金不足の状態が発生する…、早急に赤字店舗の閉鎖を実行したいが、その場合には一時的に更に大きな資金不足となる。この状況を何とか乗り越えられるようにメインバンクとして協力して欲しい…と、それを伝えに金融機関へと向かった。
作成した資金繰りシュミレーションは、あえて予測より厳しい売上額で作成して、これだけ資金が不足するということを強調した。
この時の自分の伝え方が、金融機関側に変な判断をさせてしまったのかもしれない。
翌年の2月にやってくると思われる大きな困難な状態を伝えようと思った自分の伝え方だったのだが…。
この伝え方が問題だったのかもしれない…と、その後何度となく振り返った時に思い出す。

この時を境に、金融機関の対応はハッキリと変わったのだった。
これまでに繰り返し自分が訴えていた金融機関の大きな協力について、この時確かにハッキリと、「私的ではできない…」と言われた。
それがメインバンクからの回答だと、自分は受け取った。
「それは、法的に…、ということですか?」と聞くと、それに対して「まあ、その場合はそうですね…」という返答があった。
この訪問の後、再生指導コンサルの事務所へ行き、深夜まで今後のことを相談した。
「法的にと言うことは、倒産させろと言うことですか?」と聞いた自分に、「民事再生とか…。でも、まだそこまでの判断はしなくて良いと思います。●●●●(メインバンク)も、それが一番困ることですから…」と、こんな会話をしていたように記憶している。

 

これが、2007年10月31日のことだった…。

 

 

(2014年12月10日発信)


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