THE 倒産!


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40.2週間でできないか…?

 

会計士に紹介してもらった弁護士事務所は、小さな個人事務所だった。
これまでにも、親族問題や取引先との契約問題等で知り合いの弁護士さんに相談したことはあったが、この法的整理については、こうした倒産処理に詳しい弁護士事務所にお願いしようと思っていた。

 

現在の会社の状況と、自分の考えを話して、今後のことについて相談した。
法的整理のやり方については民事再生申立を行うことに決めた。
そしてその時期なのだが、当初検討していた年明けの年初に関して、自分は否定的な考えになっていた。
年明けの繁忙期後の申立が、その後の進め方が一番やりやすいということはあるが、取引業者にかかる迷惑が大きくなりすぎると思っていた。
この時期以外で考えると、その先の1月末か…。でも、ここまで引き延ばしては、この間に何が起こるかわからない。金融機関も自分の動きから何かを察知して、手を打ってくるかもしれない。
また、先へ行けば行くほど、会社の持つ資金が枯渇していくだろう。
できることなら、早く動いた方が良い…。
であれば、この11月末に動けないか…、と考えた。
最初の相談に行ったこの日が、11月14日。あと2週間…。
果たして、民事再生申立の準備が整うのかということが検討事項として残った。
申立に必要な書類関係の一覧を渡された。それは、膨大な量だった。
これだけの量の書類を2週間で準備できるのだろうか…。その不安を抱えながら、会社に戻った。

 

民事再生申立について、気持ちを固めたことをここまで金融機関交渉で一緒に動いてくれていた県の再生指導コンサルタントに伝えた。
民事再生を申立て、その後の倒産処理においても、会社の処理が落ち着くまで自分を支えて協力してくれると言ってもらった。
倒産処理における申立についても、このコンサルタントがこれまで関わってきた様々な事例と照らし合わせながら説明してくれた。
店舗の営業継続を前提として動くので、裁判所への申立てのその時まで外部の人に知られてはいけないということを言われた。
この頃、県内で老舗の大きなホテル会社が同じように民事再生を計画していたのが、事前に外部に情報が漏れて新聞一面で報道され、その後営業不能の状態になったというニュースがあったばかりだった。
誰にも知られずに準備してその時に一気に動かないと、店舗の営業を普通に続けながらスポンサー企業を探して引き継ぐことは難しいということだった。
果たして、この段階でこの決断をすることが正しい選択なのだろうか…。このことに関しては、本当に悩んだ。
でも、それが会社に関係する方々にかける迷惑を最小限にする最善の方法であり、それに代わる方法が自分には思いつかなかった。
特に、金融機関の自分たちに対する対応が急激に変化した今、決断を先へ延ばしたことでもっとどうにもならない状況に陥る可能性もある。そうなってしまったら、自分たちの意思では動くことができなくなってしまう。
今なら、店舗の営業を継続させながら民事再生の方法で、従業員雇用と業者様取引の継続の方法を自分たちの意思で進めていける可能性がある。
とにかく、この選択で進んでいくしかないと思った。

 

最大の問題は、2週間で申立の準備が整うかどうかということだった。

 

 

(2014年12月16日発信)


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