THE 倒産!


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41.選択と決断

 

2007年11月15日、木曜日…。
前日に相談した民事再生申立について、コンサルタントから意見を聞いておくと良いと言われて前橋市の中小企業再生支援をしている機関を紹介され、ここを訪ねた。
この機関のある方を紹介してもらっていて、この方は信頼できる人なのですべてのことを話して大丈夫だとのことだった。
自分の現状を話して、意見を聞いた。
この方が心配したのは、弁護士事務所の力のことだった。
こうした倒産処理を進めていく時に、弁護士事務所の力関係によって進行が大きく異なるとのことだった。
また、倒産処理後の自分の身の振り方についても心配してくれた。
倒産処理が正しく行われれば、後に自分が再起を志した時に適正な支援が受けられるが、そうでない場合は長くその機会が失われる…、ということだった。
この頃、第一次安倍内閣が提唱していた「再チャレンジ支援」に基づく様々な制度ができ始めていて、こうした制度を後に利用して再起するためにも、問題を多く残すのでないやり方で倒産処理することが望ましいとのアドバイスをもらった
この時に、この方が手渡してくれた倒産処理に関する資料の中にあった言葉が印象に残っている。

 

「資金繰りで追い詰められた経営者は、死ぬか、逃げるか、謝るか…、という3つの選択しかない」…と、そんな文章があった。本当にそうだった。
そして、「死ぬ」「逃げる」…の順に、それが自分が楽になる方法だと思えてしまう…と。
自殺…。夜逃げ…。
でもそれを選択してしまったらすべてを放棄し、すべてが終わってしまう。
この中で、一番つらく苦しいと思われる方法が「謝る」を選択することだと考えるのだが、選択はこれしかないのだ…と。
確かにそうだと思った。
それしかない…と、改めて決断した。

 

午後には、前日に引き続きコンサルタントと会った。
この方が、4年前にF社倒産処理の時に請け負った弁護士事務所に連絡を取ってくれていて、弁護士事務所の選定について意見をもらった。
このF社の倒産処理をした弁護士事務所は、弁護士も複数在籍していて県内でも大きな弁護士事務所だった。
自社はF社と同じ業種で、関係する取引先も同じ部分が多くあり、当時のデータをそっくり持っているこの弁護士事務所であれば、準備もやりやすいだろうと相談してくれていたのだ。
「2週間で大丈夫だそうです…」と言われた。

 

翌日の11月16日金曜日、正式にF社倒産処理をした弁護士事務所に自社の民事再生申立に関する手続きをお願いすることを決めた。
こうして、大きな弁護士事務所にお願いすることに切り替えて、この月の月末に民事再生申立を行うことを決心し、正式に依頼したのだった。

 

 

(2014年12月17日発信)


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