介護生活 119番!


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「若い人も、みんな歳をとるんだからね…」

老人介護施設での仕事も、随分慣れて落ち着いてきていて、そろそろ次の行動をプラスしていこうかと思っている。
当初から、老人施設での仕事だけでは収入にしても、時間にしても、物足りなくなることはわかっていたことで、ここに何をプラスしていくか…ということが、ポイントになると考えていた。
できることはいろいろやっていこうと思っている。

 

そして、老人介護施設で出会う多くのおじいちゃん、おばあちゃんとの会話は、思っていた以上に刺激的で面白い…。
80年、90年、と生きてきた人の話は、実に貴重だ。
認知症が進んでいる方の話も、これはこれで貴重だ。

 

今日聞いたおばあちゃんの話…。
「何だか、これからのことを考えると、嫌になっちゃって…」
と話し始めた。
このおばあちゃんは、娘が二人いるが、誰も自分の面倒を見ると言ってくれないことにがっかりしているらしい。
若い頃に旦那さんを亡くして、その後自分が娘二人を育て、大学まで出してそれぞれ嫁いでいる。
自分もかなりの額の預金があるようで、経済的には不安はないが、寂しい…のだそうだ。
「私の人生は、何のためにあったんだか…」と、自室にこもっている。
人生が終わりに近づいているからこそ感じるいろいろなことがあるかと思うが、自分はそうした話を聞けるのが、これ以上ない貴重な体験だと思っている。

 

軍隊体験の話をするおじいちゃんもいるし、戦争で旦那さんを亡くしたおばあちゃんもいる。
戦争実体験の話を、直接本人に聞けるのは、もうそうあることではないと思う。
あと何年かすれば、日本の戦争体験者はどんどん亡くなっていくだろうし、この数年しかチャンスがないことだと思う。

 

「…若い人も、みんな歳をとるんだからね」
そんなことをしみじみつぶやかれると、これ以上ない説得力がある。
やはり、人間は積み重ねた経験がすべてその人の後ろ盾になるものだ。
どんなに認知が進んでいようが、寝たきりになっていようが、その人が出すオーラというか何と言うか、そんな“気配”を感じるのだ。
いやいや、この今の自分が感じていることを、もうちょっとうまく表現したいのだが、なかなか難しい…位に、いろいろ感じることがある。
まあ、ちょっとずつそんなことを紹介できれば…、とは思っています。

 

 

(2009年7月6日発信)


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