介護生活 119番!


data-ad-client="ca-pub-4024971683053743"
data-ad-slot="4307782515">



「また…」という日は、ないと知りながら…。

毎日デイサービスに来ていたおじいちゃんが、引っ越すことになって、今日が最後のデイサービス利用の日だった。
帰りの時間近くなって、家族の方々が迎えに来た。
おじいちゃんが職員と別れの挨拶をしているところへ、仲の良かったおじいちゃんがやってきた…。
握手をして、「あっちへ行った時には、寄るからな…」と声をかけて涙を流した。
引っ越すおじいちゃんも、「どうぞ、遊びに来てください…」と言って泣いていた。
周りにいた利用者さんたちも、口々に「元気で…」とか、「また会いましょう…」とか言って、涙のお別れだった。

 

引っ越し先は、名古屋…。
名古屋へ行くには、新幹線を乗り継がないと行けない…。
今は自分たちで行動することができないおじいちゃんたちは、おそらく、二度と会うことはできないだろう…。
そんなことをわかっていながら…、お互いに「また…」と言って別れる…。
だから涙が出ちゃうんだ…。

 

そして、年末に体調を崩し、自分が緊急搬送した老人ホームのおばあちゃんは、本当の別れになってしまった。
今日、亡くなった…という連絡が入った。
この仕事をしている限り、こうした別れが次々にあるのだろう…と、わかってはいるが…。
訃報を受けた後、このおばあちゃんの部屋に行ってみた。
入院後、帰ってくるのを待つように、荷物はそのままになっていた。
壁には、デイサービスで作ったカレンダーが貼ってあった。
自分が病院へ連れて行く時のことを思い出す…。
苦しそうにしていたが、自分の問いかけにはハッキリ答えていた。
まさか、そのまま最後の別れになるとは思わなかった…。
先日、病院へお見舞いに行った時、最後にかけた言葉は…、

 

「また来るからね…」

 

「また…」という日は、なかった…。

 

 

(2011年1月15日発信)


HOME プロフィール THE 倒産! Message お問い合わせ