介護生活 119番!


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マニュアルを作る…?

今、介護業界にいて、多くの高齢者の方々と接していて改めて思うのだが、「人」に接する仕事のマニュアルって微妙だ。
以前、外食業界にいた時にも感じていたことなのだが、外食業界の調理マニュアルって「不味くない料理」を作るためのものだと感じたし、サービスマニュアルは「不快でない状態」を提供するためのものだと思ったものだ。
決して「美味しい」とか、「嬉しい」「楽しい」という状態には、届かない…。
でも、そうした目安となる基準を作っておかないと、「不味い」とか「不快な」状態が出てしまう…。
だから、必要だ…と感じていた。

 

で、それと同様のことを今、介護という仕事の中で、更に強く感じるのだ。
というのも、今マニュアル的なものを作るように求められているのだが、「人」に対する接し方はその対象となる「人」の、その時の状態によってまったく違うのだ。
ある介護技術講習のビデオを見ていたら、その講師の人が「私の施設では、すべてきっちり決まっている。それが決まっていない施設はダメだ…」というようなことを言っていたのだが、自分はどうもそれが微妙に違和感を感じるのだ。
例えば、その日の体調や気分によって、人はまったく違う状態になる…。
寝たきりのこの人が食事をする時は、ベッドの角度は何度とか…、この人の水分はトロミをこのスプーンで何杯入れる…とか、これは決めるべきことなのだが、いざ数字を出そうとすると、どうなんだ…?と感じる。
トロミの分量を決めていたとしても、入れ方やかきまぜ方、水分の温度とかでも出来上がりは違ってくる…。
要は、その人のその時の状態に合わせて、考えることが大事だと思う。
つまりは、自分がその時のその人の気持ちにどれだけ近づけるかどうかだと…。
でも、研修ビデオの講師の人は、「それが決まってないことは考えられない…」と言っていた。
…どうなのだろう?

 

だから、細かくマニュアルを作ろうとした時に、非常に悩んでしまうのだ。

 

ただ、その時のその人の状態を考えて対応できるような人が何人もいることは非常に難しい。
結局は、誰がやったとしてもある程度のことができるように…ということになる。

 

飲食店をやっていた時と同じだ…。

 

特に、認知症の方の対応なんて、絶対にマニュアルにはならないもの…。
今日も「家に帰る!」と興奮した認知症のおじいちゃんを、いかに落ち着かせるか…ということに、個人的に挑戦していたが、こういう部分ってどうにも決められないもの…。
あえて言えるとしたら、「その人のすべてを受け止める…」という気持ちでいることと、「相手の目を見て話す…」ということか…。
あとは、その時の状況に合わせて…だもの。

 

やっぱり、決められないなぁ…。

 

 

(2011年6月17日発信)


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