介護生活 119番!


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柱のキズを見つけて…。

こんなこともあるのだ…。

 

デイサービスの送迎で、あるお宅へ行き、いつものように挨拶をするが何だか様子がいつもと違う…。
まったく動けない寝たきりのおばあちゃんを、このおばあちゃんの息子さんの奥様が介護しているご家庭なのだが、その奥様が出てこないのだ。
家に入って、奥の部屋に声を掛けながら行ってみると、そこでこの奥様が泣き崩れていた。
驚いて声をかけるが、もう泣いていて言っている言葉がわからない。
時々、「限界」「もうダメ」「死にたい」…とかといった言葉がわかるが、とにかくどうにもならないくらいに泣いているのだ…。
とりあえずは、本人の気持ちを落ち着けるしかないのだが、だんだんと言っている言葉の意味がつながってきた。
介護疲れからくるパニック症状のような感じだった。
どうも、この奥様の旦那さんが介護の大変さをわかってくれなくて、それに対する絶望からくるパニックのようだった。
実際、ここのおばあちゃんの介護は大変だ。
体重があるし、まったく動けないので、動かすのが一苦労だ。
「おばあちゃんが死ぬか、私が死ぬかだ…」とか、「もう死にたい…」とか、そんな言葉も出た。
とにかく、この場はこの奥様を落ち着けて、おばあちゃんをデイサービスへ連れて行き、このおばあちゃんのケアマネージャーさんに連絡をした。

 

このご家庭…。
今はこの介護をめぐって、家庭内が大変な状況のようなのだが、この家の部屋の柱にいくつもの柱のキズを目にした。
柱に付けた印と、そこに刻まれている日付と名前…。
この家の子供の背丈を刻んだのであろう柱のキズだ。
おそらく、この奥様夫婦も、今は動けなくなってしまったおばあちゃんも、家族で刻んだキズだろうと思われた。
この家族の笑顔いっぱいの様子が目に浮かぶ…。

 

人は必ず年老いていく…。

 

いろいろなことを考えさせられる…。

 

 

(2011年7月14日 発信)


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