介護生活 119番!


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かわいそうなおばあちゃん…。

先日、緊急入所でやってきたおばあちゃん…。
入院していた病院を退院したが、家に帰すわけにいかないという判断から入所の相談が来た。
詳しく話を聞くと、家で食事を与えてもらえず、栄養失調と脱水症状で入院していたらしい。
症状が安定したのだが、そのまま家に帰すと同じようなことになるという判断のようだ。

 

施設に来てから、食事の時間になると「食べたくない…」と言って、ベッドから起きてこない。
今日もそんな状態なので、自分が本人のところへ行って話をしてみた。

 

「せっかく退院できたのに、食べないと元気になれないよ…」と言うと、
おばあちゃんは、「…元気になったら、家の人が困るんだよ…」と答えた。
「どうして…?」
「元気になったら、家に帰らないといけないから…」

 

言葉が出なかった…。

 

「元気になって、ずっとここにいてもいいんだよ…」
本来そういうことはできないのだが、この場面ではそう言うしか答えが見つからなかった。

 

…ひとくち、ふたくち。
少しずつ、口元に運んだおかゆを口に入れた。
ゆっくりゆっくり…、口を動かし飲み込んだ…。

 

「…こんなにしてもらって、ありがたいよぉ。…ありがとう。…ありがとう」
おばあちゃんは、そう言って涙を流していた。

 

今日はほんの数口だったが、明日はもうちょっと食べてもらえるように…。
そう思っている…。

 

本当にいろいろな人に出会う…。
老人介護施設にやってくる方々は、皆人生の最期に近い方々だ。
人間誰しも終わりが来るのだからこれは必然のことであり、遅かれ早かれ皆同じようになる。
それぞれの人が、様々な自分の人生を送ってきて、今ここにいる。
それぞれの人の人生は、一つ一つの物語だと考えている自分としては、物語の最後を悲しいまま終わらせたくないと思っている。
少しでも、救いを感じられるようなラストシーンにつなげられるように…。
そんな考えでいるのだけど…。

 

自分自身だったら嫌だと思うような終わり方のまま、物語を終わって欲しくないのだ。
今は、ただ単純にそう考えながら…、だから楽しく!おじいちゃんおばあちゃん達に接するようにしている。
専門的なことはわからないし、この業界の経験なんて不足しまくりなのだが、日々起こる出来事に向かっています。

 

 

(2009年11月13日発信)


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