倒産社長!再起への「道」!!


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「私の高校時代…。」その15

土曜日にレッスンで東京へ行き、一泊して戻ってくるようになって、自分の生活の中からボクシングに費やす時間がどんどん少なくなっていった。
土曜日のレッスン。日曜日に戻ってからは、回転寿司店で寿司を握る…。
平日も、回転寿司店でお金を稼がないと、週末に東京まで通う交通費や宿泊代が足りなくなってしまう。
こうして自分は、ボクシングから芸能活動へと、気持ちも生活もどんどん変わっていったのだった。
こんな時、土曜日の午後に東京へと向かう電車を待つ駅のホームで、ボクシング部の先生に会ったことがあった。
自分を発見した先生は無言で近付いてきて、目の前まで来るといきなり「何処へ行くんだ!まさか芸能学校へ通ってんじゃねえだろうなぁ!」とドスの効いた声で言った。図星だった自分はただ笑ってゴマかすしかできず、「親戚の家へ行くんです…」なんてとっさに思いついた嘘を答えた。
この時の先生の顔を見た瞬間の衝撃は、今振り返ってみても、人生の中で一二を争うショッキングな瞬間だった。思い出すと、今でもドキッとする。
あの時、先生は偶然そこにいたのだろうか…?それとも、自分の変化を感じて追ってきたのか…?
こうして当時を思い出してみて、それが不思議だ。
こんなことがあって、また少しボクシング練習に行かざるを得なくなった。
自分の学校でボクシングをやる生徒が増えていたので、学校にボクシング部を作る運動の中心になって動くことになった。
秋の新人戦までにボクシング部を作って、大会に出場する!ということを掲げて、自分の学校で顧問になってくれる先生を探した。
一人一人全員の先生にお願いしたのだが、引き受けてくれる先生が誰もいなかった。
一緒にお願いをしてまわったメンバーはガッカリして、本来ヤンチャな奴ばかりだったので多少荒れたりもした。自分も「何て学校だ!」と怒りを表現していたが、実は心の中ではホッとしていた。
ガッカリしているメンバーと一緒にいる時は、自分も学校や先生に対する怒りの思いを口にしていたが、実は本心は違っていたのだ…。
今だから白状するが、自分はできればもうボクシングからは少し距離を置きたかった。

だから、顧問になってくれる先生がいなくて良かったと思った。
とにかく、この時の自分の気持ちはすでに芸能活動へ大きく傾いていたのだ。
こうして学校で認められない以上、ボクシングはできない…と、隣の学校のこれまで指導してくれていたボクシングの先生に対しての大義名分を手にした自分は、更に芸能タレントを目指す活動へと動いていくのだった。

 

 

(2015年11月16日発信)


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