倒産社長!再起への「道」!!


data-ad-client="ca-pub-4024971683053743"
data-ad-slot="4307782515">



「私の高校時代…。」その21

1983年、春…。
ついに高校3年生になった。高校生活もあと1年…。
自分は合格した芸能事務所で、レコードデビューに向けてのレッスンに励むことになり、張り切っていた。
この芸能事務所は、山手線の某駅近くのビル内にあり、ここに事務所とレッスンスタジオを持っていた。
自分は毎週土曜日と日曜日にこのスタジオへ行きレッスンを受けるのだが、これは遠距離から通う自分のことを考慮して週末に集中したレッスンを受けられるようにしてくれたもので、こうした事務所の対応がありがたかった。
この芸能事務所には、この年にデビューした新人歌手がいた。事務所のアイドルデビュー第1弾ということで、デビュー直後はTVに出たりもしたのだが、その後は売れている気配がなく、しばらくすると事務所で電話番をしている姿を見かけるようになった。
「売れてないんだな…」ということは、自分が見ていてもよくわかった。
自分がデビューするのが第何弾になるのかわからないが、第1弾がこんな感じで、果たして本当にデビューできるのかどうか、だんだんと不安がよぎるようになった。
仮にデビューできたとしても、まったく売れないということだってあるわけだ。
目の前にいる売れてないであろう先輩歌手を見て、この事務所自体も大丈夫だろうか…?ということを感じるようになっていった。
それに、こんな時になって何なのだが、自分は歌がうまくないかも…、ということに気付き始めていた。
歌のレッスンをしていても、どうも自分の歌はちょっと“変”なのだ。
歌だけでなく、ダンスもちょっと微妙だった。
ダンスについては、後に演劇活動をしている時代にもいろいろと逸話があるのだが、高校時代のこの時からすでにカッコいい側でない側のダンスの動き(←まわりぐどく言ってみたが、要するにカッコ悪いのだ…)をし始めていた。
でもまあ、歌が下手なアイドルはたくさんいるし、ダンスだって…、と自分を励ましてはいたのだが、たまに目にする自分と同じデビュー候補生たちの歌唱力やダンスの切れを見たりすると、自分は歌唱力やダンスの切れではない別の“何か”でアピールしないとダメだなぁ…、とそんなことを思っていた。
でも、それ以外でアピールするのなら、それはアイドルという範疇ではないのかも…、とそんな気持ちが現れ始めていたのだ。

だいたい、最終選考会で通ったのも、普通に歌って合格した訳ではなく、歌詞を知らない「ヨコハマ・チーク」の2番をハチャメチャに歌ってみたら、それがたまたま評価されたようなものだ。
その評価も、審査員を「笑わせた…」という部類の評価のようなのだから、あんなこともう一度やれと言われてもできない、偶然の仕業なのだ…。
と、そんな不安が湧いてきてはいたが、それでもとにかく毎週レッスンに通い、ボイストレーニングやら、ダンスやら、何やらいろいろとやっていた。
そんなこんなで、6ヶ月が経った。

 

 

(2015年11月22日発信)


HOME プロフィール THE 倒産! Message お問い合わせ