その　１

11月になって…。
あの2007年の11月から7年目を迎えている。
7年前の11月のこと…。
あれから毎年、11月になると1日1日を振り返って思い出す。
それでも…。
人間は不思議なもので、どんなに辛く苦しい体験があったとしても、時間と共にその感覚は薄れていく。
毎年、毎年、そうしてあの時の感覚は遠い昔の記憶に追いやられていくように感じている。
こうなってくると、果たしてこれで良いのだろうか…？という気持ちも起こってくる。
あの時に何が起こっていたのか。
それをしっかり振り返れるうちに、何らかの形で残しておかないと…、と思うのだ。
7年という時間が過ぎた今年…。
それをやってみようと思っている。
果たして、公開できるかどうかはちょっとわからないけど、1日1日あの時を振り返って、そこで何が起こったのかを、もう一度思い出してみようと…。
今月は、そんな1か月にしようと考えている。
実はまだ、あの時起こっていた本当のことは、自分の心の中にあるだけなのだ。
これまで何度か、取材や講演においてあの時のことについてを語ったことがあるけど、それでも語れないことがあるのだ。

このまま語ることができずにいて、自分自身もやがてはそれを振り返ることもできないようになってくのだと思う。
であるならば、どこかでそれをしっかりと振り返って、何らかの形で残しておきたい。
そう思っている。
こうして全部公開できるかどうかは、その時その時で考えてみようと思うけど、何かに残しておくように振り返って考えてみるつもりだ。

少なくとも、7年前の2007年11月1日の段階では、この月の終わりに自分が裁判所へ民事再生の申立てをして自らの会社の倒産処理に動くなんて、まったく考えていなかったのだ。

（2014年11月2日発信）