THE 倒産!


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「モノ」の想い…。

一気に夏になったような暑さだ!
まだ4月なのに…。
つい先日までは、寒い…と言っていたのに、今日はまた地球温暖化を実感するのだから変なものだ。

 

先日から競売手続き中の本社事務所を片付け出したのだが、古い机の中から封筒に入った「聖徳太子の1万円札」が10枚出てきた。
思いがけない発見に驚く。
封筒に書かれている文字から、両親が過去に個人的にしまってあったものらしかったので、両親に渡した。
創業時の頃のものだ…。

 

自宅の周りの雑草が伸びてきている。
自宅の競売処理で、今後も自分たちが住めることになったら、家の周りをきれいにしよう…と思って、今はそのままにしている。
雑草だけでなく、家の中の破れた障子も、故障している装置も…、今後のことが決まってから手をつけようと思っていた。

 

でも、そんな考え方だからダメなのかも…と思った。

 

例え、手放さなくてはならなくなったとしても、他人のものになるのだとしても、やるべきと思ったことは、今やっておくべきなのだろう…。
他人に渡ったらやらない…とか、そんな小さな考え方だからダメなのだ。きっと…。

 

本社事務所を片付け始めた時、創業者である自分の父親が事務所にやって来た。
父親は認知症診断を受けていて、最近はおかしな言動があるのだが、本社事務所にやって来ていきなりトイレ掃除を始めた。
利用しなくなって1年半たつ建物で、トイレも1年半何の掃除もしていない。
たまにその場にいる時に利用するだけで、いずれ誰かの手に渡るものなのだから掃除をしても意味がないと思っていた…。
急にトイレ掃除を始めた父親の姿を見ていて、最初はまた変なことを始めた…と思ったのだが、しばらくして、「自分の考え方は間違っている…」と思った。

 

形あるモノは、いつか消え去る…。
でも、形あるモノには、そこにかかわった人の想いが宿る…と、そんなことを感じている自分なのに、他人の手に渡るなら汚いままでも良い…なんて、そんな考え方を持っていたことが恥ずかしい。
いつでも、汚いと感じたものはきれいにするべきなのだ。
誰のものでも、そんなことは関係ないのだ。
自分のものならきれいにするけど、他人のもになるならきれいにしない…。

 

本当に恥ずかしい…。

 

認知症と言われている父親だが、その姿に痛烈に教えられた気がした。

 

…と、古い机の中から発見された「1万円札たち…」。

 

発見された「聖徳太子たち」は、自分たちから姿を見せてきたんじゃないか…と、そんな気がした。

 

モノは、持ち主を自ら選んで動いて行くもの。…のような気がする。
自分のモノなら…、他人のモノなら…なんてそんな考え方をしているから、モノは去っていくのだ。

 

そんなことを感じた…。

 

 

(2009年4月10日発信)


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