THE 倒産!


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捨てられない、歴史…。

先日、事務所内にあった机や棚を知人の会社に譲った。
事務机をたくさんと、カウンター、書類棚等なのだが、購入時の価格で考えれば、1000万円くらにになる品物だ。
今の自分たちの状況では、お金をもらう訳にはいかないので、譲るだけになる。
引越業者さんが大型トラックでやってきて、運んで行った。
この移動の前に、事務所内を片付け、必要と思われるものを分けておいた。
会社は現在、民事再生中になるので、まだ毎月いろいろな報告業務が続いている。
今後どうなっていくのか、実は自分でもよくわからないのだが、建物は競売手続き中になるので、譲ってほしいと言われたものは譲っている。

 

事務所を片付けていると…、思いがけないものをいろいろ発見する。

 

…創業時、FCで始めた回転寿司だったが、2店舗目を出店した後FCを脱退して独自の展開に切り替えようとした時、お客様から新しい店名を募集した。
その応募ハガキが出てきた。
自分たちでもいくつかの店名候補を考えていたのだが、その中で考えていたものと同じ名称が応募者の中に2通あって、この名前に決めたのだった。

 

…昭和59年。…25年前のことだ。

 

その時の応募ハガキは、そっくりそのまま取っておいてあった。
ここで決まった店名は、後に別れていった会社の店舗と合わせれば、約50を超える店舗とそれに付随するあらゆる場面で使われた。
会社の歴史の原点であるこのハガキは、自分たちの意思では捨てられない…。
後は、この場所を片付ける人たちに、捨ててもらうしかない…と思って、その場に置いておいた。

 

実はこの店名は、今でも3店舗だけ残っている。
ウチの会社を引き継いだスポンサー会社で1店と、ウチの会社の前に倒産した会社を引き継いだ会社の店舗が2店…。
自分たちとは関係なくなってしまっていて、その店名はこうして決まった…という歴史のことなんて、知る人はいなくなってしまっているだろう…。

 

 

(2009年4月22日発信)


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