THE 倒産!


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13.伝説誕生!

 

オープン後低迷していた焼肉屋「カルビ伝説」の売上が上昇してくるに伴い、自分としても会社をどうしていくかということについて本格的に考えるようになってきた。
回転寿司の創業店はジワジワと売上を落とし続けながらも、それでも月商2000万円を超えていた。
会社全体としての業績は焼肉店がオープンした年の年商13億円をピークに、年々減少していく流れになっていた。
父親が創業してここまでやってきた「栄進」という会社を今後更に成長させていこうと考えるなら、様々なやり方を家業的なスタイルから切り替えないといけないということは、どう考えても明白なことだった。
というか、この段階で会社の規模はもう家業的な形では運営できない状況になっているのだ。
でも、創業を支えた自分のおじさん、おばさん達の考え方は、そんな企業化は望まず、これまでのやり方を変えることなく、このままでやっていくことを望んでいるようだった。
それを無理に変えようとすれば、かつてのような分裂問題になってしまうという恐れを感じながらも、そろそろ自分の考え方、今後の進み方をハッキリさせて会社を運営していかないといけないと思っていた。
自分が作った焼肉店の運営も軌道に乗ってきたこの時だったからこそ、踏み出す時だと思った。
基本的な考え方は、この焼肉屋「カルビ伝説」での理念を基準に会社を作っていこうと思った。
そして、今までの「栄進」という会社でそれができないなら、別に自分の会社を作ってそれを目指していく考え方もあると思った。
こうして、「栄進」という会社から「カルビ伝説」を切り離して新しい会社を立ち上げて自分が社長として運営していく会社を作り、ここで自分の経営の形を作りながら、「栄進」という会社を後継者として引き継いでいくように今後の運営を進めていこうと思った。
こうして、新たな会社「株式会社 伝説」を作り、こちらは完全に自分の会社として分けて動いていくことになった。
これでは、過去に会社を分けて店舗展開を目指していったF社と同じじゃないかとも思えるのだが、「伝説」は、あくまでも「栄進」を引き継ぐための会社だという考え方だった。
「栄進」としての店舗にも経営者として関わる形は変わらないまま、「伝説」の会社で先行して自分のやり方での組織づくりを進めて行こうとしたのだった。

 

この時に、ちょうど回転寿司の出店依頼の話が来ていた。
場所は前橋市。これまでの「田舎コンセプト」では戦えない、競合店が多数ある地域。
「うらしま」を展開しているF社の店舗も出店している市なので、同じ店名は使えないし、使おうとは思っていなかった。
これがちょうど良い機会だと考え、今までの「うらしま」のスタイルとは違った回転寿司店を作ることを目指して、この出店を新しい自分の「伝説」という会社の取り組みとして動いていくことにした。
「伝説」としての新しい回転寿司店を作ることを決めたのだ。

 

自分が代表取締役となり、「株式会社伝説」が正式に動き出し誕生したのが2001年8月。
牛肉におけるBSE問題が起こったのは、「株式会社伝説」が誕生した直後の9月のことだった。

 

 

(2014年11月19日発信)


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