THE 倒産!


data-ad-client="ca-pub-4024971683053743"
data-ad-slot="4307782515">



14.BSE問題に揺れる…

 

2001年8月に「伝説」という会社を作り、焼肉屋「カルビ伝説」を父親の創業した「栄進」から切り離し、その新しい「伝説」という会社で新しい回転寿司店を立ち上げて行こうとしていた2001年の9月…、突然起こった日本でのBSE問題…。
全国で次々に確認されるBSE発生のニュースに、茫然とした。
これまで積み重ねてきた焼肉店の取り組みが、根底からひっくり返されてしまった。
売上は一気に落ち込み、お客様がまったく来店されないような営業状況の日が続いた。
これだけピタッとお客様が来なくなってしまう現実の中で、自分としてもどうすることもできず、それでも自分が不安な様子をメンバーに見せる訳にもいかず、どう対応すれば良いのか右往左往しているような状況だった。
メインバンクである金融機関からは、こういう状況である以上従業員を大量に解雇した方が良いとの催促が来たりした。
「カルビ伝説」は、開店後売上が落ち込みそこから這い上がってきた店舗で、これを乗り越えてきたメンバー個々に対する思い入れが強く、こんな状況になったからと言ってメンバーを解雇し人員整理をして人件費を下げるなんてとてもできなかった。
新しい会社として経営を分けて、動き出し始めていきなり起こった出来事で、自分としてもどうしていいのかわからなかった。
9月、10月、11月…と、店舗損益で大きな赤字を出し、そんな中で新しい回転寿司店の準備をしていた。
回転寿司店はこれまでやってきた業種なので、それなりに運営のノウハウは持っていたが、それでもここで出店する店は今までとは違ったやり方の店を作ろうとしていたわけで、自分としてもこの出店に全力を懸けるつもりでいたのだが、焼肉店が業界としてもかつて例がないような事態に見舞われていていて、集中して開店準備に取り組むということができないような状況だった。
北海道の回転寿司超繁盛店に研修をお願いして、自分もしばらくはそちらに行っていようと思っていたのだが、それもなかなかできずに、北海道と群馬とをちょこちょこと行ったり来たりしているようになってしまい開店準備における自分の関わり方が何とも中途半端になってしまった。
この段階で、一度経営を分けた焼肉店だったが、もう一度「栄進」で支えていくしか打つ手が見つからなくなってしまって、途中まで「伝説」として動いていた新しい回転寿司店も、契約を含めたすべての運営を「栄進」に変更して開店へと向かっていくことになったのだった。
「栄進」の店舗に対して、営業スタイルを変えていかないといけないということを訴えてきて、創業親族との調整がうまくいかずそれができずに、やむを得なく新しい会社を作ってそこで実績を作って「栄進」の店舗を吸収していこうと考えていた「伝説」の店舗なのに、「栄進」に全面的に助けてもらわないと先へ動いていけないような状況になってしまって、ここまでコツコツと積み重ねてきた創業親族の方々と自分との関係は、この出来事を境に一気に悪化していくことになってしまうのだった。

 

 

(2014年11月20日発信)


HOME プロフィール THE 倒産! Message お問い合わせ