THE 倒産!


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認知症の父親と…。

朝から、両親と3人でお出かけ…。
両親と3人で出かけるは久しぶりだが、行先は弁護士事務所…だ。
民事再生申立てから2年半が経ち、営業店舗はスポンサー企業に売却し、会社資産は競売にかかり処分し、やっと清算結了…という所まできた。
会社に残っていた資産をすべて処分し、会社の連帯保証人である自分と両親の資産をすべて処分し、最終的にお金になるものをお金にして、債権者に分配する。
連帯保証人として、個人の持ち物はすべてなくなる。
それで、終了…になる。
そんな説明を受け、揃えて持って行った提出書類を確認してもらい、最後に個人として記入する書類をもらってきた。

 

…そんなお出かけだ。

 

認知症の症状が進行してきている父親は、何度も「どこへ行くんだ?」と聞いてきたが、その度に説明しながら行った…。
両親の年金は押さえられないので、生活に関しては普通に生活ができるが、70歳を過ぎて認知症の症状が出て、こうして自分の生活が不自由になることを理解してもらうのは、何とも心が苦しくなる。
2年半前の決断が、果たして正しかったのかどうか…、いろいろ考えてしまうことがある。
でも、あそこであの決断をしていなければ…、その後もっと行き詰ってからの手続きになったとしたら…、こうして振り返ってみることもできないようなことになっていたかもしれないのだから、今自分が、両親が、生きて過去を振り返ることができるということで、良かったんだ…と考えるようにしている。

 

弁護士事務所からの帰り道、両親と3人で人気のある「つけ麺屋」に寄った。
行列ができる位に繁盛しているのだが、席に付いて注文して、料理が出てくるのに時間がかかる…。
と、父親が「…効率が良くない」とつぶやいた。
最近は、話すのがなかなか大変になっていて、あまり話さないのだが、いきなりそんなことを言うので驚いた。
続けて、「…これじゃ、ダメだ」と言った。
人気があっても、このオペレーションでは売上が上がらない…ということを言いたいみたいで、そうした指摘は昔の父親と変わらないような感じだった。
こうして、外食に出るのは、本人の刺激になって良いのかも…と思った。

 

 

(2010年5月19日発信)


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