THE 倒産!


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周りを見れば、皆が苦しんでいる…。

車の点検で、販売店へ行き以前から知っている担当者と会ってきた。
自分が倒産後に、スポンサー会社を通して知った方だが、あれこれと話してきた。
エコカー減税が終了した後、ガクッと車が売れなくなったそうだ。
この減税終了時に、手続きが終わってなかった購入者の処理が大変で、メーカーと販売店とで負担する金額が数千万円だそうだ。

 

…自分の現状についても聞かれた。
倒産時のことについて久しぶりに話してきたが、いろいろなことを忘れないうちに記しておこう…。
時間が経つと共に、ちょっとずつ詳しく記せるかと思うし…。
やはり、自分の心に留めておかないといけないこともあるが、時間が経つと共に口にしてもいいかと思うことも出てくる…。

 

倒産処理後にスポンサー会社に引き継がれた各店舗の現状を知ると、果たしてあの時のあの判断はどうだったのだろうか…?と考えてしまう。
回転寿司店は、ある程度の売上を狙っていかないとうまくいかない。
低い売上で、経費をコントロールしようと思っても、なかなか思うようにはいかないのだ。
それは、原価が高く、短時間で劣化する食材がほとんどなので、お客様に買って頂く“流れ”を作れないと、どんどんとダメになってしまうのだ。
食べに来て頂くのはもちろんだが、持ち帰りの売り方や、お届けする売り方でも、とにかく販売のチャンネルをたくさん考えて、売上を作っていかないといけない。
低い売上で経費コントロールすることを考えると、すべてが逆に動き出す…。

 

そんな中で、当時しっかりと利益確保ができる店だけ残して、赤字店舗を閉店したい…とメインバンクに相談した訳だが、この相談からメインバンクが回収に動きだした。
個人預金まで、ロックがかかったりしたので、自分は民事再生手続きを選択した。
スポンサー企業を探して、利益店舗だけ残して営業できれば、充分やっていけると考えていた。

 

…と、ここまでは、考え通りに動けた訳だが、スポンサーとなってくれた企業で、利益店舗の販売方法を変えてしまったことが残念でならない。
この件に関しては、自分がスポンサー企業に残っていた期間に、何度か話したのだが、やはり自分はお世話になっている側になるので、新しい意向に沿って進めるしかなかった。
それぞれの地域で、地域に合わせた売り方がある。
それが作り上げられている地域の店舗だけは、そのやり方でやった方が良い…と思っていた。
最近になって当時の利益店舗も、閉店していく話が聞こえてくる。
何とも、残念だ…。
結局、そこに残った従業員さんも、業者さんも、引き継いでくれたスポンサー会社さんも、…関わっている多くの人が今でも苦しんでいるのだ。

 

あの当時、メインバンクがあんな強引な回収に動かなかったら、自分もそんな急に倒産処理に動くこともなかっただろう…。

 

個人資産をすべて失い、家族を巻き込んで妻は仕事に出て、子供は転校して…、自分自身苦しい思いをしたが、それでも新しい生活の中で、生活も安定してきて、精神的にも落ち着いてきた。
何だか、自分が一番先に落ち着いて、立ち直りの階段を上り始めているようで、何とも複雑な心境だ。

 

 

(2010年9月29日 発信)


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