THE 倒産!


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残念でならないこと…。

今にして思えば、迷惑をかける規模を少なくするための決断だった…。
あの段階で、民事再生申立をする必要があったのだろうか…?と考えることがある。
でも、あの段階で踏み切っていなかったとしたら、その後もっと多くの迷惑をかけることになったかもしれない…。
ただ、もしかしたら、そこまで行かずに持ち直していたかもしれない…ということも考えられる。
いずれにしても、今になって思えば、様々なことが可能性として考えられるものだ。

 

当時、自分の会社の店舗はしっかり利益を獲得できる店舗が2店あった。
ギリギリで利益が出る店舗が1店。
損益トントンの状態の店が2店。
赤字店舗が2店…。
トントンの店の売上が低い月は、全体で赤字の規模が広がる状態。
でも、この状態であれば、何とかやりくりできることは充分可能だった。
借入返済をストップして、リース料や賃料の固定費を交渉で削減できれば、そのまま全店の営業継続することは可能だった。
しかし、その後のことを考えれば、この段階で赤字店は閉鎖撤退した方が良いと考えた。
赤字店舗を閉鎖すれば、単純に売上額が減る訳で、一時的に資金不足になる。
数か月が過ぎれば、この一時的な資金不足は解消されるのだが、この機関における資金援助をメインバンクに申し入れた。
ごくごく当たり前のお願いだと考えていた訳だが、この申し入れた日の夕方から、メインバンクが一気に個人資産の回収に動いてきた。
あまりに急激な態度の変化に、連帯保証人の自分の両親は、このメインバンクにあった数千万円の預金を回収されることを了承した。
この件に関して、もちろん抗議したが、メインバンクは次々に回収の動きを見せ、自分の預金口座までロックがかかった。
こうなってしまうと、やりくりが可能な会社運営においても、極度の不安が襲ってくる。
このままメインバンクの姿勢がこのうような状態で動くと、多くの方に迷惑をかけることになる…。
この状態の中、自分はほんの数日間で民事再生申立の準備をして、この月の月末支払日の前に裁判所に民事再生の申立をした。

ここで一気に申立の決心をしたのは、スポンサーとして再生に協力してくれる企業さんがあったのと、利益店舗を残して再生を目指せば確実に何とかなると確信できていたからだ。
営業を継続できれば、取引業者さんとの取引を継続できて、かける迷惑も軽減できるし、従業員の雇用継続もできる。
一方、そのままでメインバンクに押さえつけられたら、どうにも身動きが取れなくなって、関係するすべての人に大きな迷惑をかけることになる…。
そんな考えでの決断だった。

 

民事再生を申し立て、店舗はいくつかのスポンサー企業さんに引き継がれた。
自分もそのうちのメインのスポンサー企業さんに残った。
初期条件の固定費が大きく減額されて、やり方さえ間違えなければ何の問題もなくやっていけるはずだったのだが…。
スポンサー企業さんとしてみれば、その企業のやり方につくりかえたかっただろうし、結局はそれまでにやっていたやり方とは変える道を選んでしまった。
そうなった以上、自分が残っている意味もないので、自分はこの業界から身を引いて、別の道を歩むことにした。
そして、現在に至っている…。

 

今日、かつて店舗があったショッピングセンターに立ち寄ったのだが、ここにあった店舗も自分がスポンサー企業を退いた後、撤退してしまった。
すべてはやり方だと思うのだが…。
残念でならない…。

 

自分のあの時の選択は間違いだったのだろうか…。
関係する方々にかける迷惑を、できる限り少なくしようと思って決断したこと。
でも、その後年月が過ぎて行く中で、引き継いでくれたスポンサー企業さんが、苦しい決断をすることになってしまったようだ…。

 

しかし、残念でならないのは、4年前のあの段階でのあのやり方を継続できていれば、何とかなったと思うのだが…。
そうするためにした自分の決断だったのだが…。

 

 

(2011年6月23日発信)


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