THE 倒産!


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54.転び方を知っておくこと

 

約2カ月間、こうして自分の過去を振り返ってきました。
あの時、自分が選択していった様々なことに関して、今振り返ってどう思うか…ということが、自分の中で“あの時”を振り返るポイントとなっていました。

 

「死ぬか、逃げるか、謝るか」

 

倒産処理という選択をした自分が、それと同時に迫られていると感じた決断の選択肢はこの3つでした。
そして自分が選択したのは、「死」でもなく、「逃げる」でもなく、「謝る」ことでした。
それでも、あの時、ちょっと何かがあったら、もしかしたら別の選択をした可能性もあると感じる瞬間が、何度もありました。
それだけあの時、精神的には追い込まれていました。

 

その後も様々なことがありました。
それでも、ここまでこうして自分は生きてきて、家族と生活してくることができました。

 

自分の生活がある程度落ち着いてきた頃の冬、子供たちを連れてスキーへ行く機会がありました。
その時に、ふと思ったのですが、スキーは転び方から習う…、ということにハッと思いました。
自分も子供たちに、まず転び方を教えました。
危険を感じた時には、危険度が大きくならないうちに自分から転ぶ…。
もう一度、立ち上がり滑っていくために…。
そこで自分で転んでおかないと、二度と立ち上がれないような大怪我をしたり、周りの人にもっと大きな迷惑をかけることになったり、場合によっては命を落としたりすることにもつながる危険があります。
そんなことにならないように、自分で転ぶことを選択するように教えるのです。
これって、自分の過去の選択に重なるような気がして、何だか変な感動を感じたのです。

 

ビジネスにおいても、増してや人生において考えればなおさら、誰しもができることならば転ぶことなく進んでいくことを考えています。
転ぶことを考えながら進んでいる人なんていません。
でも、世の中いつ何が起こるかわからないのが現実です。
場合によっては、自分から転んだ方が良いことも確実にあると思っています。
そうしないと、二度と立ち上がれないようになったり、周りの人にもっと大きな迷惑をかけることになったり、場合によってはそれで命を落とすこともある…。
そうは言っても、誰しも転ぶことは怖いし、転び方を習っている人なんてまずいない…。
であれば、一度転んだことがある人間が、自分が転んだ時のことを語っておくことは、後に何かしら意味があるんじゃないか…、と感じました。
そんなことを思い出したのも、今回、こうして長々と自分の経営者時代を振り返って、民事再生申立による倒産処理に至る経緯をたどってみるきっかけの一つでした。

 

「私のようにならないために…。私のようになった時のために…。」

 

もし、この自分の振り返りを読んでくださる方がいるなら、そうした方々に対して、こんな自分の体験が何かしらを感じて頂けることにつながれば…、と思いながら自分の“あの時”を振り返ってきました。

 

誰にしても、いつ何が起こるかはわからないのですから…。

 

 

(2014年12月30日発信)


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