介護生活 119番!


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最後の数ページにかかわる仕事…。

一昨日、このブログに書いた96歳のおばあちゃんが、今日の午前中に亡くなった。
昨日、自分は休みだったのだが、もしかしたら施設からの呼び出しがあるか…と思って、お酒は飲まなかった。
で、今日…。職員の皆が揃っている昼間に、旅立って行った…。
今日の朝、職員の間で、このおばあちゃんをお風呂に入れてあげたい…という声が出て、どうしようか…と職員間で話し合った。
もう時間の問題なら、大好きだったお風呂に入れてあげようと…。
ただ、お風呂はやはり体力を使うので、どうしようか…と意見が割れた。
最終的に、現状の容態を考え、お風呂はあきらめて、それでも足だけでも温めてあげよう…と、足浴をさせてあげることにした。
ベッドに持ってきたお湯に足をつけて、職員がマッサージをした。
静かに目を開けて、こちらからの問いかけに頷いたりしていたおばあちゃん…。
お湯につけた足をマッサージしていた職員が、「明日は、お風呂に入ろう…」と、そんな声をかけていた。
気持ち良さそうにしていたおばあちゃんの体から、だんだんと力が抜けて行くような感じがした。
視線が泳ぐような様子で、呼吸の仕方が変わって行った。
そばにいた看護師と、ちょうど定期健診で来ていた施設契約のお医者さんがいて、「反応が鈍っている…」とのこと。
このおばあちゃんの主治医と、家族にすぐに連絡するように言われ、自分は電話へ…。
電話をかけている間に、看護師がやってきて、「今、呼吸が止まりました…」とのこと。
主治医も、家族も、すぐにこちらに向かうとのことだったが、その連絡をつけておばあちゃんの部屋に戻ってみると、すでにおばあちゃんは息絶えていた。

主治医の到着までは、契約医師に立ち会ってもらっていて、ありがたかった。
職員が多い月曜日の、忙しい午前中の仕事が一段落した時間に、このおばあちゃんは旅立って行った。
まるで、施設職員のことを想って、この日のこの時間を選んだかのようだった…。
主治医と家族が来て、死亡後の処理を済ませ、施設を出る時…、今日仕事に入っている職員全員が立ちあって見送った。
長く関わっていた職員や、初めて利用者さんとの別れに立ち会った新人職員が、声を出して泣いていた…。
家庭の事情で、ずっと施設にいたおばあちゃんだったから…、いつも必ずいるおばあちゃんだったから…、思い出も多い…。

 

今の自分の仕事は、人生の終わりを迎えようとしている方々と接する仕事…。
これからも、こうした別れが次々にあるのだろう…。

 

自分は昔から、人生は一つの物語だと思っている。
人は、様々な出来事を体験し、乗り越えて、自分の物語を作っていく…。
その最後の数ページに、かかわる仕事…。

 

そんなことを考えながら…。
今日はお酒を飲みながら…。

 

(2010年6月7日 発信)


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